IgA腎症とは
「糸球体」(腎臓で尿を作るろ過装置)に免疫グロブリンの一つであるIgAが沈着する「慢性糸球体腎炎」になります。
ちなみにIgAとは「気管支」や「腸」などの粘膜を外敵から守っている免疫グロブリンです。
「感冒」や「扁桃腺炎」などで異常なIgAが産生され、腎臓の糸球体に沈着し炎症を起こす疾患が「IgA腎症」になります。
広い年代に見られる疾患ですが、比較的若い方に多く日本人で最も多い「腎臓病」です。
IgA腎症の漢方薬
原因となる「免疫の異常」と「腎臓の炎症」を改善していく事が大事になってきます。
その為「免疫を調節する漢方薬」を中心に「腎臓の炎症を改善する漢方薬」を使う事が多いです。
また症状でも漢方薬を使い分けていき、
・「血尿」が出る時は「血管の炎症を改善する漢方薬」
・「浮腫み」が出る時は「利水・利尿作用がある漢方薬」
を使っていきます。
IgA腎症の原因
原因としては上記でもお話ししましたように、
・感冒
・扁桃腺炎
などと言われています。
特に「扁桃腺」は関係が深く、扁桃での細菌・ウイルスの感染が「IgA腎症」への原因の可能性が高いです。

IgA腎症の症状
主な症状としては、
・血尿
・タンパク尿
です。
糸球体血管に炎症が起こり、血管壁が傷害されることで「赤血球」と「タンパク粒子」が尿に漏れ出てきます。
どちらかというと「血尿」の方が多くウーロン茶のような色の尿が出る事もありますが、初期段階では自覚症状がない事がほとんどです。(タンパク粒子は尿細管で再吸収される為。)
ただ進行が進んでいくと糸球体の炎症が広がり腎機能が低下する事で「末期腎不全」になります。(診断後20年で約40%の患者さんが末期腎不全になっています。)

Q&A(よくある質問)
特にお問い合わせの多い内容を「漢方専門薬剤師 青木正人」がお答えいたします
Q.透析にならないように出来るでしょうか?
A.透析間近だった方(クレアチニンが5前後)が、透析を回避できた事もあります。
漢方薬にて腎機能が改善してくる事も多いですよ。
Q.症状はそんなに気にならないのですが、それでも治療は必要ですか?
A.腎機能が落ちると毒素の排出が出来なくなったり、必要な成分が尿に漏れ出る可能性もあります。
症状が出ていなくても少しずつ腎機能は悪化していますので、早いうちに対応した方が良いですね。
Q.血尿・蛋白尿・浮腫みなど症状の改善も出来ますか?
A.腎臓の機能を高めながら症状に対しての対応もしています。
例えば血尿に関しては「血液の漏れを防ぐ漢方薬」・浮腫みに関しては「水の流れを良くする漢方薬」など。
症状をお聞きしながら漢方薬を選んでいきます。
その他にも疑問に思ったことがあればお気軽にお問い合わせください。
