「不安、鬱、不眠」心の漢方・№11  2018年11月20日



心の病は漢方では、「心」と「胆」を中心に考えると述べました。
より臨床的に多いパターンと具体的処方を示していきます。


⑤水毒(すいどく)

脾や腎の陽虚(ようきょ)がもとで、体の中のいらない水液を浄化排出できず、水毒体質となります。
流れが悪くなり停滞するとベタベタ水液となります。
痰(たん)や飲(いん)と呼ばれる程度の違いはあるが、これらはまとめて水毒と呼ばれます。

ではなぜ体の中の水液が滞ると、水毒になるのでしょうか?ベタベタするのでしょうか?

応えは簡単です。

体の中は水液は砂糖水と同じだからです。

停滞した所に40℃近い体温熱が加わり続ければ白く透明な状態から、ベタベタして黄色味を帯びてきます。

粘性を帯びたものを「飲(いん)」と呼び、
黄色く色づきベタベタしたものを「痰(たん)」と呼んで分けます。

このうち「飲邪(いんじゃ)」は胸へ昇り、よく心陽を犯し、心神が養えず心悸不安が出るようになります。


心陽が巡らなければ寒がり、冷え症となり、手足も凍るようになります。
水毒があるのに小便数は少なかったり、量も多くない。足にむくみが出る。ひどいと左右の足の太さが倍ぐらい違うようになります。
肺にも水毒が溜ると、よだれも出やすくなります。
中焦(ちゅうしょう)に多く水毒が溜ればめまいが出る。

この水毒体質の「不安、うつ、不眠」は現代若者にすごく多いんです。

処方の基本は、苓桂朮甘湯(れいけいじゅつかんとう)ですが、現代は「飲邪(いんじゃ)」より「痰濁(たんだく)」の方がほとんどで、芳香化湿剤をうまく使わないと変化が弱い事が多いのです。






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