五臓六腑のお話『肝』・№2



★肝臓の代表的な働き

①血液の循環調節作用

肝臓は、ほかの臓器と異なる独特の血液循環系持っています。
肝臓に出入りする血管は、「門脈」「肝動脈」「肝静脈」があり、中でも「門脈」と呼ばれる静脈は、肝臓しかありません。
門脈は、胃や腸、すい臓、脾臓、胆のうなどからの血液が流れ込んでくる血管で、小腸から消化吸収されたさまざまな栄養素を心臓に送り込みます。
残り2つの血管、肝動脈は肝細胞に必要な酸素エネルギーを運ぶ血管になり、肝静脈は肝臓で代謝、処理された栄養素を心臓に送り込む血管になります。
また肝臓に送り込まれる血液量は、約70~80%が門脈からの供給となり、残りは肝静脈から供給されます。
これは心臓から拍出される血液量の約4分の1相当になり、血液の循環調節も行っています。


②代謝機能

からだが利用しやすい形に分解、合成する働き

肝臓は、ほとんどの物質の代謝をしている中心の臓器です。
私たちのからだは、食べ物から吸収した栄養素をそのままの形で利用することは出来ません。
肝臓は、吸収された動物性、植物性の栄養素を別の成分に変えて貯蔵し、必要に応じて、これらを分解してエネルギーを産生し、全身の器官や臓器に供給しています。

●糖代謝●
糖質は、からだのエネルギー源として大切な栄養素です。
お米やパンなどの穀物類を中心に含まれる糖質は、ブドウ糖に分解され、肝臓内で「グリコーゲン」に変えられて貯蔵されます。
そして、必要に応じてグリコーゲンを再び「ブドウ糖」に作り変えて、全身のエネルギー源として過不足なく供給します。

●たんぱく質代謝●
たんぱく質は、からだの構成に必要不可欠な栄養素です。
たんぱく質は、アミノ酸に分解された後、肝臓で再びたんぱく質合成(髪・皮膚・爪・血液・骨・歯・目・耳・鼻・筋肉・内臓・脳細胞・神経・ホルモン・酵素)され、健康なからだを作ります。


●脂質代謝●
脂肪は、三大栄養素(たんぱく質、脂肪、糖質)の内、最も大きなエネルギー源であるだけでなく、脂溶性ビタミンを摂取する上でも大切な働きをしている栄養素です。
肝臓では脂肪酸の合成、分解の他、コレステロール(コレステロールの70~80%が肝臓で合成)やリン脂質の合成も行っています。

●その他●
アルコール代謝、ビタミンの代謝、ミネラルの代謝、胆汁酸の代謝なども行っています。

№3では「③解毒機能」についてご説明します。



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